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先月、上海を訪ねたおり、いたるところで肩身の狭い思いをした。
買い物や飲食、交通機関の清算をする際、中国では現金の次に「銀聨(Union Pay)」というクレジットカードが強く、VISAやMASTERは結構使えなかったりする。というのが2年ほど前の感覚だった。

ところがこの度、「WeChat」というアプリが支払い事情を大きく変えていた。
厳格なネット規制が敷かれる中国ではLINEやYOUTUBE、Googleなどへのアクセスが一切できない。検索サイトで「中国」と入れただけでも画面が止まってしまう。
そんな不自由な状況下で世代を問わず広く使われているのが、中国版LINEといわれる「WeChat」という通信アプリである。
僕も中国の知り合いと連絡をとるために「WeChat」を入れているが、基本的に使い方はLINEと同じである。

ただ、この「WeChat」がなかなかの優れものらしい。
まず、朝ごはんに入った食堂の会計で「WeChat払いですね?」と聞かれたのをはじめとし、至るところで「WeChat払い」が最優先なのだ。タクシーの支払いの時などは「現金でもいいですか」と恐縮する始末である。
コーディネーターに聞いたところ、ここ数年、急速に「WeChat払い」機能が広まり、現金を持たなくなったとのこと。コーディネーターが手配してくれた僕のホテルも「WeChat払い」だったらしい。
使い方はさらに複雑かつ便利になっているらしく、例えば数人で食事をし、お会計の段になると皆がおもむろにスマートフォンをテーブルに出す。そこへ店員がピッピッピッと端末をかざしていくと、なんと割り勘された金額がそれぞれの「WeChat」から引き落とされるらしい。
最近日本のIT業者がこぞってこのシステムを視察しによく上海に来ているとのこと。
ある意味で、我が国の流通システムは中国に大きな遅れをとっていると見ることができる。

「WeChat」の支払い方法はクレジット清算ではなく、デビット式だから、銀行通帳が必須となる。
ということは、旅行者には踏み入ることのできない世界である。厳密には泊っているホテルの住所で銀行口座を作ることはできるらしいが、これはまったく現実的な話ではない。

これから中国を訪れるたびに、「現金でもいいですか?」と恐縮しなければいけないのか。
ただ、僕自身も被害にあったことがある「偽札問題」は収束を迎えているかもしれない。


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