昨日(6/17)、羽田8:30発の中国国際航空で北京を経由し、19:00にパキスタンの首都イスラマバードに到着した。
到着ロビーには銀行ATMはおろか、両替所も見当たらない。
空港スタッフに訊くと、いったん外に出て一つ上の階に行けばあるとのこと。
そのとおりに行ってみたのだが、それらしきは見当たらない。何屋だかもわかないカウンターでたずねると、ここで大丈夫だという。よく見ると「CASH COUNTER」と手書きで書かれた紙切れがセロハンテープで貼ってあった。
なんとなくそんなもんだろうというレートだったので、100米ドルを11000ルピーに替えてもらった。
さて、移動である。
空港のタクシーを頼んだが、高い。
ざっと調べてきた相場の5倍はする。
「無理だ。高すぎる」
「ここからラワールピンディまでは35キロあるんだ」
おかしい。空港はもっと近かったかずである。
「ニューエアポート」
たしかに、世界空港ランキングワースト1に輝く悪名高きイスラマバード空港にしてはきれいな気がしないでもない。
結局、ボロボロの小型車を運転する個人タクシーの運ちゃんに交渉して1000ルピーでラワールピンディのホテルまで行くことになった。
後で調べてみたが、たしかに今年の5月から国際線の全線がラワールピンディの南西35キロに位置する新空港発着になったらしい。
約束どおり1000ルピーを払い、立ち去ろうとしたところで運ちゃんは「500ルピーの空港税を払ってくれ」などという古典的なふっかけをしてきたが、もちろん無視である。
ラワールピンディとは、イスラマバードに隣接する町で、カラチから首都を移す際にもともと流通や交易の要だったラワールピンディのそばに首都を置いたかたちになる。
Booking.comというホテル検索サイト経由でとっておいたホテルがやっかいだった。
着くなり、フロントのおじさんに「not allowed」と言われた。
予約しているんだけどと伝えたところで、「ノー」の一点張りである。
要するに泊めてくれないというのである。
こういうトラブルがないために、マージンを見越した金額をのんで検索サイトを使っているのにこれでは意味がない。
「ここへ行け」と別のホテルを教えらえたが、とりあえずはスカイプ通話でBooking.comに電話してみることにした。
30分コールしたところで、やっとつながった。
「そんなずはないです。ホテルに電話するのでこのままお待ち下さい」
5分ほど経ち、再度電話口に出た女性は「英語がなかなか通じませんが、どうやらこのホテルでは無理なようで、紹介されたホテルに行っていただけますでしょうか。タクシー代はホテルかBooking.comが負担します」
さすが、ジャパン。ちゃんとしてる。
まぁこんなこともあるわなと、お礼を言って電話を切ろうとしたところで、フロントのおじさんが「ミスター!」と僕を呼んだ。
「あ、なんかしらんけど、泊まれるみたいです」
「それはよかったですー、パキスタンはお仕事ですか?どうぞお気をつけて良い旅を!」
結局1時間以上のゴタゴタの後に部屋には入れたのだが、冷蔵庫は動かず、シャワーは出ず(さすがにひと風呂浴びたかったので直してもらった)。
ちなみに、ホテル代は5800ルピー、約6000円である。高い。
どうやら、パキスタンの一部のホテルでは、インド人、中国人、アフガニスタン人の宿泊が拒否されることがあるらしい。さしずめ、僕は中国人に見られたということか。せめてパスポートを見て欲しかった。
翌朝、朝ごはんがてら散歩に出かけようとすると、エレベーターが動かない。
「ソーリー、階段でお願いします。戻ってくるときには直っていますので」
仕方なく6階から階段で降り、サダル・バザールの方へ歩き出した。
すでに8時近くになるが、まだ町は起き出していないようだ。
シャッターの下りたバザールで、仕事に向かうでもなさそうな男たちに出会った。
静まり返った町とは逆に、みな陽気そのもので、カメラを向けると濃いヒゲの間から白い歯を見せた。
一見の茶屋を見つけ、プロタ(油で焼いたパン)とオムレツとダルの朝食をとり、甘いチャイを飲んだ。こういう、どうってことない朝ごはんがめっぽううまいもんからアジアの旅はやめられない。
上機嫌でホテルに戻ると、案の定、エレベーターは止まったままだった。