ラワールピンディ(首都イスラマバードに隣接する町)で1泊したあと、北西約200㎞のところにある、アフガニスタン国境の町、ペシャワールへ向かった。
現在、残念ながら、日本人は原則アフガニスタンに入国することができない。
どこまで行けるかもわからない状況でペシャワールに着き、カイバルパス(国境)を目指した。
そのへんのことは、近いうちに朝日新聞社『&TRAVEL』の連載記事になる予定である。
https://www.asahi.com/and_travel/series/clickdeep_list.html
(僕自身今気づいたのだが、このページ上段のPROFILEが阿部さんという別のカメラマンの名前になっている。編集部に至急対応要請中)
ペシャワールは、小さいながらも活気があって楽しい町である。
人も良く、珍しい東アジア人を笑顔で迎えてくれるし、民族衣装のシャルワール・カミーズを着込んだ陽気な男たちが片言の英語を駆使して一生懸命話しかけてくるあたりは、なんとも微笑ましい。
昨今のイスラムに対する誤解は立派な社会問題である。一歩現地に足を踏みいいれてみれば、こんなにも人懐っこく、純粋な人種であることを実感する。
パキスタンやインドでは一般的に甘いミルクティーを常飲するが、このあたりは南側のシルクロードだった影響で茶屋に入ると緑茶が出ててくる。が、ミルクティーと同じく砂糖がたっぷり入っていて、これが不思議とクセになる。
町の中を歩いてみると、総じて建物は古く、インドほどカラフルでもなく、中国ほど殺風景でもなく、どこか落ち着く雰囲気がある。
ちなみに、ラワールピンディに続き、ペシャワールでもホテルに宿泊を拒否された。あとで調べてみると、町の玄関口にあるその「ROSE HOTEL」中級ホテルは、一昔前は日本人をはじめ外国人には人気の宿だったらしい。
前項のラワールピンディのホテルとは違い、中国人とかインド人とかではなく、ローカル以外は泊められないないとのことであった。
(僕らが泊まったのはEMARAAT HOTELという3ツ星ホテル。ツインルーム1泊3500ルピー=3500円。エアコン、冷蔵庫付き)
夕方になり、腹をすかせてホテルを出てみると、メインストリートであるNamak Mandi通りの西側に並ぶ食堂からもくもくと煙が立ち上っていた。
どの店も軒先でケバブを焼いているようだ。
煙が目にしみながらも、香ばしいにおいにつられてしまう。
適当に店を選んで入るも、メニューはないし、英語も通じない。
店頭でご主人らしきおじいさんが、目の前に吊るした羊を切り分けては、秤に載せて目方を計っている。
手際よく肉と脂の量のバランスをとりながら、計り終わると若いおにいさんが厨房へと運んでいく。
なるほど、この店は羊が売りらしい。
いや、この店がというわけではなく、イスラムであるパキスタンは基本的に羊文化ではあるのだが。
にしても、どのように料理してもらうかがわからないし、伝えられない。
こういうときは図々しくも他の客のテーブルを覗き込み、指をさして「これ、くれ」といういうのが一番手っ取り早い。
そうして出てきたのが、ラムチョップのトマト煮込み料理だった。
まずは煮詰めた煮汁を一口すすると、その味は驚くほどに深い。トマトだけではない、他の野菜の甘みと控えめな香辛料がほんのり効いている。
肉は柔らかく煮込まれていて、うま味も十分。煮汁との相性も素晴らしい。
決して大げさではなく、今まで食べた羊料理の中でも最高級といえる。
ついつい腰の強い赤ワインがあれば言うことないのになぁと思ってしまうのだが、こればかりはどうしようもない。
バックパッカーでこの周辺を旅行した20年まえを想いだします。
人懐っこい現地の人と香ばしいにおいがとてもなつかしい。乾燥した空気も感じます。
日本で感じる孤独が全くないところ。
だいぶ、街並みが豊かになった?
また、皆にお会いしたいと涙もでそう。絶対孤独感じないと確信するところ。