旅行作家、下川裕治氏とすすめている「玄奘三蔵が歩いた道」の取材が大詰めを迎えている。
一昨日成田から成都に飛び、昨日中国新疆ウイグル自治区カシュガルに着いた。玄奘三蔵シリーズで都合6回目の渡航になる。
https://www.asahi.com/and_travel/articles/SDI2018092006551.html?iref=andt_pc_kijilist_article_clickdeep
下川氏の泊まっているホテルのロビーで落ち合ってそのままカシュガル駅へ。ウイグル自治区の鉄道終着駅、和田(ホータン)への切符を手にいれた。
列車内は国慶節の連休を迎えた里帰りの若者たちでごったがえしていた。テンションが高い若者たちを見ていると、学生時代の長い休みに、京都から徳島へ帰る途中で乗った瀬戸内海を渡る船を思い出した。
18:00前に出発した列車は定刻より少し遅れて午前1:00に到着。
「外国人が泊まれない」、「満室」の理由でいくつかの宿に断られたあと(いつものことだが)、温州大酒店という中級ホテルに落ち着いた。ツインルームが368元(6000円)と普段の中国旅の相場よりも高めだが、時間も時間だし、明後日以降に訪れる小さな町の宿事情を想像すると、ここで良しということになった。
時間は遅かったが、執念で開いている商店を探し、白酒のお湯割で乾杯した。中国のホテルでの一杯はこれに限る。
今朝、チャルチャン(且末)行きの切符を買いにバスターミナル(东郊客运站)へ行くと、いつもこうなのか、国慶節だからなのかわかないが、切符売り場は黒山の人だかりだった。
なんとか明日の切符を手に入れ、バスターミナルの前の食堂で野菜たっぷりのラグマン(ウイグル風トマト麺)を食べてから町を歩いた。
ホータンの町はとりたてて特徴がない。ただ、規模には驚いた。こんな最果てにも漢民族が移り住み、ビルをガンガン建てているのだ。相乗りタクシーで一緒になった、成都から移住して5年になるという青年の表情は明るく饒舌で、「ようこそ、ウイグル和田へ!」などと言いながら、後部シートの僕に向かってじゃべり倒した。
「団結広場」には、毛沢東がウイグル人の老人と握手している像が立っていた。
中国国内のいたるところで毛沢東像を目にしてきたが、右手を挙げた毛さん以外を見たのは初めてである。
しかも金色。
いったんホテルにもどり、しばらくしたら夕食にでかける。
ウイグル料理屋でケバブにするか、中華で炒め物をつまむか。
旅の中で、一番楽しい時間かもしれない。