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10年ほど前から旅行作家の下川裕治と一緒に旅を続けており、その都度、朝日新聞のウェブサイトで連載をしてきた。
実はいまこの瞬間も沖縄の離島で取材している予定だったのだが、緊急事態宣言の発表を前に断念せざるをえなかった。

地方、特に離島ともなると、もし感染者が出た場合、大都市のような医療体制での治療が困難であることは火を見るよりも明らかである。出発予定日はまだ緊急事態宣言が出る前だったし、行けば行ったで取材できたかもしれないが、我々は自粛に踏み切った。我々がすでに感染しているかもしれないという状態での離島訪問はどう考えてもするべきではないという出発前日の判断だった。
これにより、今月下旬までの仕事がなくなったわけだが、無論、最善だったと思っている。
タレントの石田純一がつい数日前に仕事で沖縄を訪れ、感染していたという報道に、僕は人一倍驚いた次第だ。よくまぁ行ったな、と。

さておき、続いている連載をなんとかストップさせない手はないものかと、下川氏と相談し、この10年で撮りためた未公開のものも含めたすべての写真をひっくりかえし、「世界のディープな列車旅 車内で遭遇した不思議の数々」というタイトルで1本作ることになった。

15枚の写真と1本の動画で構成されている。
動画には僕と下川氏が当時の旅を振り返り、そのトーク音源をのせようということになったのだが、この録音に編集部から指摘が入った。
「今の状況でおふたりが向かいあって話すのは問題かと……」
たしかに。
それならばと、おのおのが自宅の机でパソコンを開き、スマートフォンに会議アプリをダウンロードし、「せーの」で再生した動画を見ながら話すことになった。
会議アプリの録音機能で声もしっかり録ることができた。すぐれものである。
そして、昨日公開された記事がこれである。

https://www.asahi.com/and_travel/20200415/237677/

この先のスケジュールは真っ白である。
無論、材料を集めるための取材旅行もできない。
フリーカメラマンだけではなく、様々な業種に従事する人たちが同様に厳しい状態にあるだろう。
今はじっとこらえながら過去の写真を振り返り、次の旅への準備をするしかない。

 

 

 


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