本州北端の下北半島から帰京した翌日の昼過ぎ、石垣島の離島フェリーターミナルの中にある食堂で、八重山そばをすすっていた。
6/19をもって都民の県をまたぐ移動が自由になり、待ってましたとばかりにオファーが重なったために、東北と沖縄をハシゴするという荒業に至ったわけである。
ハードなスジュールとはいえ、ありがたいことでもある。
石垣の繁華街はガラガラだが、梅雨明けの八重山諸島は、容赦なく暑い。
無論、マスク着用は必須である。
ちょっと歩けば、マスクの内側は汗と蒸気が飽和したサウナ状態になる。
けれども、そんななかですれ違うオバアがちゃんとマスクをしているのを見ると、自分が東京から来た厄介者であることをひしひしと感じる。
石垣島から、竹富島、西表島、与那国島へ足を伸ばす旅だったが、詳細はまた次回以降ということにして、ひとまずは石垣島のことを少しばかり。
泊まったのは、バスターミナル近くの「ペンションやいま日和」という民宿。
この近辺の宿を一軒一軒訪ねてみたのだが、金額もさることながら対応の良さが際立つ宿だった。
和室で共同風呂トイレだと、ひとり3200円、ふたりだと5600円。悪くない。
公設市場や土産物屋が並ぶ石垣島の中心地には、とにかく石垣牛を食わす焼肉店が多い。
それはそれでいいが、夕暮れになると僕らは安居酒屋を選び、地魚で泡盛をちびちび飲む日々だった。
二軒目は、おでん屋。
石垣島に関わらず、沖縄の繁華街での二軒目は、絶対におでん屋に入る。
お目当は「てびち」。豚足である。
じっくりと煮込まれたテビチを骨からひっぺがしながらつるりと口へ運べば、コクがありつつもすっきりとした味わいが口いっぱいにふわりと広がる。こればかりは沖縄でしたか味わえない。
テビチに、泡盛。これが沖縄の夜である。
テビチがどんと入った盛り合わせが、1000円〜1500円くらい。
ひとしきり食べた後に2、3人でつっつくツマミとして、これ以上のものはない。