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海外取材さえ入らなければ毎年8月の中ごろは阿波おどりを見物するために故郷の徳島に帰っている。
何年かに一度、東京から友人が来たりもする。今年も久しぶりにふたりの旧友が訪ねてきた。

彼らとは北京時代からの付き合いで、かれこれ14年になる。みなが旅好きなせいか、北京で知り合った日本人の中で帰国後も関係が続いている貴重な友人たちだ。

阿波おどりを見物する前日は高知へ行こうということになっていた。
僕自身久しぶりの高知。
四万十川を目指した。

四万十川に行くぞといったところでどのへんへ行くだとかいうプランは三人とも皆無である。とりあえず地図を見ながら車で河畔へたどり着く。そこからひたすら川沿いに上流へ向かう。
途中で車を下り、清流の音を聞きながら、沈下橋の上からはっきりと見える大きな鯉の姿に驚く。鯉に驚くというよりも鯉が見えるほどの高い透明度に驚いた。
鯉から目を離しふと上流を見やる。
さすが四万十。深い。

もっと上流にも行けるはずだが、時間もそこそこだったので宿をとってある土佐清水市へ向かうことにした。
道中四万十川を下流へ向かって進んだわけだが、途中でテントを張ってキャンプに興じる人たちを何度となく見かけた。
「日本最後の清流」の聴きながら眠りにつくわけである。さぞかし心地よいことだろうと、少し羨ましく思った。

土佐清水市には小さな漁港があり、かつては人の往来も盛んで水産業を中心にで栄えたこともあるらしい。
しかし、泊まった旅館ははカビ臭く、とても居心地がいいとはいえなかった。市内を歩いてみてもスーパーに買い物客がいる程度で、商店街や国道ではまったくと言っていいほど人に遭遇しなかった。
人口は1万6千人ほど。過疎化と高齢化が進む典型的な地方都市を見た気がした。

それでも、飲みに入った居酒屋は地元の客でかなり賑わっていた。
名物の「清水鯖」は季節外れにしては脂の乗りもよく、地酒とともに堪能した。
秋から冬にかけての「清水鯖」のうまさは関鯖や岬鯖の比ではないという。
ぜひ再訪したいものだ。


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